下半身の夜回り先生、パンパース和田です。
今回は、タイトルの通り、付き合うに至っていない大学生の
男女がやっていいこと悪いことのボーダーラインをサンプルを
例に考察していきたい。
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今日、授業を受けていたら
前に座ってる二人(♂と♀)が
妙なことをやっていた。
大教室だが席は決められていて、
回りはいつも同じメンバーだ。
前の男女は別に付き合っているわけではない。
これは揺るがぬ事実だ。
なんでかって、僕は彼と彼女が初対面の時から、
ヒッソリと後ろの席から見守ってきたからだ。
あの二人の間に流れる空気。
あれは至極健全な間合いだ。
流行りの価値観に当てはめれば、
美男美女の範疇に入るであろう二人。
名前も知らない二人だが、
彼らが付き合っていないことは分かる。
なぜなら、
あの二人の距離。
一度ゼロになった距離は、二度とあの形には戻れないからだ。
そんな二人を、
僕は毎週見守ってきた。
今日、女の子の方は机に突っ伏して寝ていた。
男の子の方は退屈そうにしている。
それもそのはず、
互いにまんざらでもない二人が、
「隣の席だから」という大義名分を盾に
楽しくお喋りする一時間半。
それは二人にとって共通の
トキメキの時間であるに違いなかったはずだ。
そこには、
お互いに縮めたい距離
が横たわっていたハズだ。
その距離。
無言の了解を得ているがしかし、
臆病ゆえに縮められない距離。
しかし本当に怯えているわけではない。
そんなのは高校生以下の恋愛だ。
お互いに「なくないな」と感じ、
あえてそれを楽しんでいるということもある。
事実、楽しんでいるようだった。
その厄介な距離を縮めることこそ、
本当の初めての共同作業であるというのが、
二人の共通の認識となっていたハズだった。
しかし、
今日は違った。
彼女は、寝ていたのだ。
「俺の一人よがりだったのか…」
彼は苦悩しているようだ。
「この時間を楽しみにしていたのは、俺だけだったのか…」
彼の背中が、その苦悩を語っている。
「彼女の『俺を好き』という気持ちは、眠気に負ける程度のものだったのか…」
「いや、そもそも全部俺の勘違いだったのかもな…」
そんな彼の不安が、背中越しに僕に伝わってくるようだった。
「勘違いじゃないよ!眠いだけだよ!!」
と応援したい気持ちを必死に抑え、
僕は苦悩の青年を見守る。
その時、事件は起こった。
彼はおもむろに人差し指を突き出し
彼女のワキバラをつついたのだ。
ワキバラ
で伝わるだろうか。
ウエスト
と言い換えてもいいかもしれない。
とにかく、
女性の側面で一番やわらかいと推測される部分だ。
そこを、付き合ってもいない男がツツいたのである。
単純に思った。
「それはセクハラだろう」
相手は寝ているのだ。彼を信頼して。
それを、いきなりワキバラをツツいて起こしたのだ。
「…あぁ、終わりだ」
僕はとたんにそう思った。
「今までの努力を…」
怒りすら覚えた。
あと一歩。
あと一歩だったのだ。
それを何故、
お前は我慢しなかったのだ。
何故、
触ってしまったのだ…
しかし次の瞬間、僕の想像を超えた出来事が起こった。
「ちょっとやめてよバカ~」
何っ!?
いやいや、
文脈的に見て合っているのは「バカ」ぐらいだ。
なんなんだその反応は!?
付き合ってもいない男にそんなことされて平気なのか!?
そんなハズはない。
それをやったのが僕だったとしたら、
爪が食い込むくらい手首を掴まれて、
「この人、痴漢です!!」
と大発表されることになるだろう。
それで僕の人生は終わりだ。
今まで積み上げてきた信用、貯金、大胸筋。
全てがパァだ。
しかし彼女は彼にそうしなかった。
それは、彼をやや好きであったからだろう。
ここにおいて賞賛されるべきは、
彼の勇気だ。
まず、僕には出来ない。
どんなに仲良くなっても無理だ。
「この人、痴漢です!」が怖いのだ。
しかし、彼はやった。
彼女が彼を好きでなかったら、
それこそ「この人痴漢です」の悲劇に見舞われていたに違いない。
だが、彼女が自分を好きなら、
ギリギリで許してくれる。
その「ギリギリのエッチ・スケッチ・ワンタッチ」を、
彼は実行したのだ。
策士ですね。
勝負師と言ってもいい。
ただのスケベヤローでもOKだ。
女の人の触れていい場所。
これは余りに難問だ。
要は、その男女の親密度によるところが大きく、
何人たりとも、絶対的なボーダーを断言することは
できなそうだ。
絶妙な間合いは日々の鍛錬あるのみ。